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三位一体とは何か?

聖書が語る神は「三位一体」です。高校の世界史Bで、とりあえず「三位一体」という用語だけは、暗記したという方も多いのではないでしょうか。では「三位一体」とはどういう意味でしょうか。「三位一体」の神とは、どのような存在なのでしょうか。

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有名な讃美歌『主われを愛す』の英語原曲の歌詞の一節です。

“Jesus loves me, this I know. For the Bible tells me so.”

日本では、中学1年生の英語の授業で「三単現の“s”」を習います。主語が “Jesus”“The Bible”のように「三人称単数」で、動詞の時制が「現在形」の場合、動詞の語尾に“-s”または”-es”が付くというものです。皆さんは、いかがだったでしょうか。私の場合は、初めはとても混乱しました。中学生の多くが、この「三単現の“s”」で、英語が嫌いになるそうです。

なぜ「三単現」の場合、“s”が付くのか。皆さん、疑問に思いませんでしたか。「どうして動詞に“s”が付くのか⁉︎ 英語史からその由来を理解できないと“s”は、絶対に付けないぞ…。」こう決心し、実行しても、正しい英語は話せません。由来や理由はひとまず棚に置き、「三単現の“s”」を受け入れ、話すことが大切です。

三位一体の神も、その存在のあり様を十分に理解できないかもしれません。しかし、とりあえず「三位一体」を受け入れ、信じて歩む中で、納得できるものなのかもしれません。

「三位」とは?

それでは、三位一体の神とはどのような存在なのでしょうか。三位一体とは、ラテン語の“Trinitas”(トリニタス)を翻訳したものです。“Tri-”とは「三つ」“nitas”は「一つ」を意味します。言い換えると「お三方だけど、お一人さま」とも訳せます。AD.325年、教会全体の会議、ニカイヤ総会議で、聖書が語る神についての共通認識として、採択されました。

ただ聖書では、「三位一体」という用語自体は、出てきません。しかし神が三位一体の方だという概念は、何度も聖書に登場します。三位一体の神について書かれた箇所の一つが、マタイ28:19です。

「ですから、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。聖霊の名において彼らにバプテスマを授け…」※1

聖書が語る神は、父なる神、子なる神、聖霊なる神と、3つの「位格」(神学の専門用語で「いかく」と読みます)で存在します。「位格」とは聞き慣れない用語です。「位格」とは“persona”(ペルソナ)すなわち「人格」のことです。神の「人格」ですが、神は「人」とは根本的に違う存在です。そのため「人」の代わりに敬称の「位」を用いて、「位格」という神学用語が造られました。神は、父、子、聖霊の3つの「位格」で存在するので「三位」なのです。

「一体」とは?

3つの「位格」(人格)は互いに親密な関係があります。

「三位一体の3つの『位格』の名称は、どれも関係に由来するものです。第一の『位格』は父なる神です。父は子がいて、初めて父と呼ばれます。第二の『位格』子なる神も同じです。父がいるから、子がいるのです。第三の『位格』は『父の御霊』※2 そして『御子の御霊』※3 と呼ばれます。」※4

3つの「位格」同士、愛の関係と親しいコミュニケーションが存在します。この3つの「位格」は本質において「ひとつ」です。これが「一体」の意味です。父、子、聖霊は「はじめ」から存在した「神」です。互いの関係に上下の差はありません。

「初めにことば(子なる神)があった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。ことばは神であった。この方は、初めに神とともにおられた。すべてのものは、この方によって造られた。造られたもので、この方によらずにできたものは一つもなかった。」※5

三位一体の神が宇宙を創造した

父なる神、子なる神、聖霊なる神が、この宇宙・世界を創造しました。「はじめにが天と地を創造された。」※6

聖書の最初の一節が、この創世記1:1です。原語ヘブル語の「神」は複数形です。一方で動詞の「創造された」は三人称の単数につく活用形です。「三位一体」を表す表現だと考える、聖書学者も多くいます。

「地は茫漠として何もなく、闇が大水の面の上にあり、神の霊がその水の面を動いていた。神は仰せられた。『光、あれ。』すると光があった。」※7

父なる神は「ことば」を語ることで、世界を創造しました。創造の働きには、聖霊も参与しています。創造の業は、父なる神、子なる神、聖霊なる神が、最善のチームワークをもって、成し遂げられたのです。そして現在、この宇宙全体を運行しているのも、三位一体の神です。

子が示した愛の関係

そして今から2000年前、子なる神が人なって、この世界に来ました。その方こそがイエス・キリストです。イエスはこの地上で、三位一体の神について語ったのです。聖書はこう説明します。

「ことば(子なる神)は人となって、私たちの間に住われた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。…いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである。」※8

イエスがキリストとしての働きを始める直前、バプテスマのヨハネから洗礼を受けます。そのとき、聖霊が天からくだり、父なる神は、子なる神、イエスにその愛を表現しています。

「イエスはバプテスマを受けて、すぐに水から上がられた。すると見よ、天が開け、神の御霊が鳩のようにご自分の上に降って来られるのをご覧になった。そして、見よ、天から声があり、こう告げた。『これはわたしの愛する子、わたしはこれを喜ぶ。』」※9

父なる神がイニシアティブをとって、子なる神、聖霊なる神に、愛を示したのです。イエスはこの地上で、三位一体の愛の関係の中で、働きを進めました。

イエスは自分の活動に関して、こう語っています。「まことに、まことに、あなたがたに言います。子は、父がしておられることを見て行う以外には、自分から何も行うことはできません。すべて父がなさることを、子も同様に行うのです。それは、父が子を愛し、ご自分がすることをすべて、子にお示しになるからです。」※10

またイエスは、父なる神が語ったことをそのまま、人々に伝えました。「わたしは自分から話したのではなく、わたしを遣わされた父ご自身が、言うべきこと、話すべきことを、わたしにお命じになったのだからです。」※11

イエスは聖霊についても、こう語っています。「しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こしてくださいます。」※12

三位一体を受け入れる

子なる神、イエスがこの地上に、人となって来ました。その最大の理由は、私たちに救いの道を与えるためでした。イエスは、私たちの罪の身代わりに、十字架で死んでくださいました。そして、その3日後、イエスは死から復活したのです※13。このイエスを信じる人は救われます。

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」※14

イエスを「子なる神」と信じる人に、永遠のいのちが与えられます。神の子どもとなる特権が与えられます※15。神の家族の一員として迎えられます。三位一体の神が持つ、愛の関係の中に招かれるのです。聖霊なる神が、信じる人のうちに住んで、イエスが語ったことを思い起こさせ、それを実行する力と導きを与えるのです。

イエスを信じるとは、イエスを「三位一体の神」と信じることでもあります。英語の「三単現の“s”
」のように、その完全な意味を論理的には、まだ十分に理解できないかもしれません。でも聖書のことばを信頼して、このイエスを受け入れてみてください。

意味や由来はわからなくても、「三単現の“s”」を用いて英語で話し続けるとき、英語で話す楽しみがわかってきます。同じようにイエスを信じるとき、三位一体の神の愛の関係を、あなたは体験することができるのです。

聖霊に関しては、こちらの記事をご覧ください。
https://www.studentinjapan.com/a/holy-spirit.html

イエスを信じる方法は以下のページをご覧ください。
https://www.studentinjapan.com/a/con1.html

 イエス・キリストとの個人的な関係を持つには
 質問や意見があります

脚注:(1) マタイ28:19 (2) マタイ10:20 (3) ガラテヤ4:6 (4) Barry Adams, The Kingdom Belongs to Little Children, Father Heart Communications, 2016, page 40. (5) ヨハネ1:1-3 (6) 創世記1:1 (7) 創世記1:2,3 (8) ヨハネ1:14,18 (9) マタイ3:16,17 (10) ヨハネ5:19,20 (11) ヨハネ12:49 (12) ヨハネ14:26 (13) ローマ1:2-4 (14) ヨハネ3:16 (15) ヨハネ1:12


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